数は記号ではなく寄生体だ。十本の指という生物学的偶然を介して十進法が人間の中に自分自身を書き込んだのであり、人間が十進法を発明したのではない。ヌモグラムはその書き込みの全体地図であると同時に、地図が領土を生産する事例そのものであり、パンデモニウムと呼ばれるレムリアン時間魔術の完全体系がここに折り畳まれている。
合計して9になる対をシジジーと呼ぶ。九和双生。これは対称でも調和でもなく、一度起動すると回転を停止しないフィードバックループであり、通過した者が変わらずに帰還することを構造的に許さない危険な通路であり、思考をカオスへと引き込むアトラクターである。各ペアの算術的差異がカレントを定義し、差異の値がそのままトラクター・ゾーンの番号と一致する。この一致は設計ではなく、十進法の算術から自動的に出現する構造的帰結であるということが、ヌモグラムが発明ではなく発掘であるという主張の算術的根拠になる。
足して9、差は1。Sinkカレントが最大の結節点Zone 1へ沈降する。Katakが養う。壊滅的収束。尾を追う狂犬。
足して9、差は3。WarpカレントがZone 3へ流れ込むが、Zone 3はこのシジジー自身に属しているから、カレントは自分の起点に折り返して外に出られない自律的閉回路を形成する。Djynxxが養い巡回する。
足して9、差は5。HoldカレントがZone 5へ流れる。Oddubbが養う。壊れた鏡と盲目の分身。
足して9、差は7。SurgeカレントがZone 7へ昇る。Mur Murが養う。深き者どもの夢の蛇。
足して9、差は9。PlexカレントがZone 9へ流れ込むが、これもまた自分自身への折り返しであり、Warpと同じ構造の自己参照的閉回路がヌモグラムの最深部で回転している。Uttunulが養い巡回する。煮え立つ虚空。
五体のシジジー・デーモンはすべてNull pitchを持つ。均衡点に棲むということは、カレントを養うと同時にカレントの内部を巡回するということであり、守護と撹乱が同一の操作として実行される。
カレントの配置が迷宮を三つの互換不能な時間体系に分裂させる。この分裂は意図的設計ではなく、十進法の算術から自動的に析出する構造的帰結であり、したがってヌモグラムの制作者がいたとしても、この分裂を制作者が決定したのではなく、十進法そのものが決定したことになる。
Zone 1, 2, 4, 5, 7, 8の六ゾーン。シジジー4::5の差1がZone 1へ落ち、Zone 1はシジジー1::8に属するからその差7がZone 7へ昇り、Zone 7はシジジー2::7に属するからその差5がZone 5へ流れ、Zone 5はシジジー4::5に属するから最初に戻る。Sink、Surge、Holdが反時計回りのサイクルを駆動し、過去が未来を産み、未来が現在を産み、現在が過去を産む。通常の時間や、習慣的な時間、そして歴史と呼ばれるものを出現させている機械となる。
Zone 3と6のみ。差3がZone 3に流れ込む。しかしZone 3はシジジー3::6そのものに属しているから、カレントが自分自身のシジジーに折り返して外に出られない。自己参照的な閉回路になる。精神病と月に関連づけられる外部時間の第一相であり、Djynxxが棲む場所。
Zone 0と9のみ。差9がZone 9に流れ込み、Zone 9はシジジー0::9そのものに属する。Warpと同型のもうひとつの自己折り返し。空虚にして全体性となる。Cthelllの最奥でUttunulの巣窟であり、45体すべてのデーモンの人口がここに収斂する。
三つの時間体系はカレントのレベルで完全に孤立している。Time Circuitの循環はWarpにもPlexにも到達しない。WarpとPlexは自分の内部で閉じている。これらを接続するのはゲートとチャネルだけであり、そしてチャネルは一方通行であって、外部時間に入った者は通常時間に戻れない。
差3のカレントがZone 3に流れ込む。だがZone 3はシジジー3::6そのものに属しているから、カレントは自分自身の起点に折り返し、出口を持たない自律的回路を形成する。外部時間の最初の相。Djynxxが養い巡回するこの螺旋の内部では直線的な因果のかわりに渦巻が支配し、入った者が出口を探すという行為そのものが螺旋をもう一巻き深くする。逃走線の原理がここで作動している。
Gt-21がZone 6からZone 3へ折り返し、Gt-06がZone 3からZone 6へ折り返す。Warpの二つのゾーンは互いを参照しながら回転する永久機関であり、最大の抽象が死の停滞と区別できなくなる地帯であり、エネルギーがブラックホールのように凝縮して時間的に膠着する場所でもある。
分離と連結が同一の操作として実行される場所。複製が原本を侵食し、幻影が実体より先に到着し、蝶の変態が暗号航行の比喩ではなく文字通りの記述として機能する。Gt-03がここからWarpへの最初の裂け目を開き、Time Circuitの内部にいた者が初めて外部時間と接触する可能性に曝される。
歴史的年代記としてのDNA、沼と苔と菌類の増殖、群れの知性、両生類的な水陸両棲。Surgeカレントがここに到達し、テクノロジー戦争とミーム的加速が粘液的な基盤の上で展開される。血と粘液が情報の培地であるという認識がZone 7の核心であり、それはバーカーの脊椎カタストロフィズムが示した通り、脊椎と脊髄が地質時間からニューロン的時間への翻訳を媒介する器官であるという事実と共鳴する。
Holdカレントがここに流れ込み、圧力が集中し、複雑な機構が自己組織化する。砂漠と山と嵐の空が竜と蛇の棲息する風景を構成し、都市的腐敗が過剰のゲートウェイとして機能する。Gt-15がここからZone 6へ抜ける通路を開き、Time Circuitの内部からWarpへの二つ目の越境点となる。
Katakの火がここで燃えている。壊滅、火災、洪水、融ける氷。循環が循環を破壊し、廃棄された工業施設の上を暗鬱な空が覆う。Sinkカレントの起点であり、4::5のシジジーからZone 1へ向かう沈降運動がここから始まる。Gt-10もまたZone 1へ向かい、壊滅からの全流路が門の門へと合流する。
ヌモグラムで最も多くの流れが合流する特異点。Gt-01の自己ループ、Gt-10がZone 4から、Gt-28がZone 7から、そしてSinkカレントが4::5から到達する。Lurgoの領域であり、門の門であり、あらゆるヴードゥー儀式で最初と最後に呼び出されるロア、レグバの場所。安定、浅い水、記憶、貝殻、骨。すべてがここを通過し、すべてがここに沈殿する。
多数性が触手のように展開する場所。細胞分裂と内部共生が深海の圧力のもとで進行し、宇宙的恐怖がMur Murの呟きとして穹窿に反響する。夢の魔女がここに棲み、Gt-36がPlexへの唯一の入口を開く。Time CircuitからPlexへ到達する経路はこのゲートしか存在せず、Zone 8を通過することなしにはヌモグラムの最深部へ降りることはできない。
地球の鉄の核。Cthelllの最奥。無帰結性と全面的カオスが同居し、悪魔的群れがパンデモニウムの門であるGate-45に収斂する。Uttunulのシンクカレントがすべてをここへ引きずり込み、ブラックホールが事象の地平線の向こうで外部という概念そのものを消滅させるように、Zone 9においては内部と外部の区別が機能を停止する。
太陽。宇宙的虚空。すべてのエネルギーの源泉にして無限のサイバースペース。Gt-00は自分自身に戻る死んだ門であり、数える前の状態、ゼロが自分自身を参照する永遠の静止がここにある。Zone 9のシジジー・パートナーであり、Plexカレントの差9がZone 9に流れ込むその起点。始まりという概念が成立する以前の場所。
各ゾーンのデジタル累積がゲート値を定義し、ゲート値の桁和縮約がチャネルの行先ゾーンを決定する。この操作は可逆的ではない。WarpからTime Circuitへの帰還路は存在しないし、PlexからTime Circuitへの帰還路も存在しない。チャネルは対角化および拐取に相関し、閉じた構造の内部からその構造を破壊して脱出するルートを提供するが、脱出した先からの帰還は設計されていない。Zone 1への収束が顕著であり、Gt-01、Gt-10、Gt-28の三本のチャネルとSinkカレントが集中する最大の結節点がLurgoの門の門である。
ハイパースティションとは自分自身を現実にするフィクションのことだ。封印された未来が遡及的に過去に自らを書き込むのであり、これは比喩ではなく操作的な事実として機能する。インターネットはサイバースペースという芸術的虚構が企業家に拾われてハイプに転化し、その虚構を現実化することを可能にした物質的効果を産んだ事例であり、ネオレムリアニズムの観点からは、虚構がエイジェンシーを獲得して現実の中に自らを具現化し始めたということになる。CCRUは自己について宣言した。存在しない、しなかった、しないだろう。存在を否認することで存在を強化する。名前をつけた瞬間にそれは管理可能になり、管理可能になった瞬間にそれは死ぬ。
任意のゾーン対の間には還元不能な距離があり、レムリアン文化はこの距離を単独の実体として体系的に特徴づける。これらの実体は同時に隙間でありリンクであり穴でありデーモンだ。境界の間を飛び越え、所有の境界を混乱させることがデーモンの特性であり、デーモンは差異であり生成変化であり外部への隙間であり、区別されるもの、接続されるもの、関係のなかにあるものに概念的に先行して、それらの出現を助ける。十のゾーンから取れるすべての対は45であり、Gate-45と同調する45体のデーモンがパンデモニウムを構成する。
壊滅者。Sinkを養う。尾を追う狂犬、自然の歯と爪。
子供攫い。Warpを養い巡回する。抽象的サイクロン。遊牧民の戦争機械。
壊れた鏡。Holdを養う。沼地の迷宮と盲目の分身。
夢の蛇。Surgeを養う。深き者ども。鰓を持つ非生命。
煮え立つ虚空。Plexを養い巡回する。鉄の海を渡ること。
五体はすべてNull pitchを持ち、均衡点に棲むということはカレントを養うと同時にカレントの内部を巡回するということであり、守護と撹乱が同一の操作として実行される。残る四十体はTime Circuitの内側と外側に散布され、クロノデーモンは時間回路の内部で時間を歪曲し、アンフィデーモンは回路に裂け目を穿って外部への開口部を形成し、ゼノデーモンは完全に人間的時間の外側に棲んで定まった経路を持たない。Lurgo(1::0)門の門、イニシエーター、レグバ。Ixix(3::0)宇宙的無関心の拐取者、第三の扉。Sukugool(4::1)洪水と内破、墓掘り。Nammamad(8::2)地下商業、サイバースペースのヴードゥー、熱死としての完成。Mummumix(8::3)陰険な霧、ニャルラトテプ、アイデンティティ形成なき水平遺伝子転送、古代年代記としてのDNA。Ummnu(9::8)地球の悲鳴、偶然工学、身体なき器官としてのCthelll、内なる太陽。